アトラスピアノ製造株式会社
1987年製
アトラスピアノはピアノ製造技術の第一人者である西村武氏と、マスターの称号を持つ国立音楽大学教授の郡司すみ氏によってピアノを研究・開発し、ヤマハ、カワイに次ぐ生産数があった国内ピアノメーカー、アトラスピアノ製造株式会社を代表するピアノです。
利潤よりも理想を追求されて生み出されたアトラスピアノの音色は、ピアノチューナーの第一人者である中谷孝男氏に「伝統的なウィーンの響きを持つ」と高く評価され、国立音楽大学の指定ピアノでもありました。
また、エイジング(経年変化)による音の熟成を考慮して作られているために、弾けば弾くほど重厚で華麗な音色となると言われています。響板の貼り方も狂いを無くすため手数の掛かる方式で接着し、多湿で季節差が大きい日本の気候でも音質が変化しにくいように工夫されています。
残念ながらアトラスピアノ製造株式会社は1990年代に倒産してしまいましたが、妥協せず国内で1台1台手作りで製作されていた良質なピアノに今でも根強いファンがおり、中古ピアノ市場でも人気のあるピアノメーカーです。
アトラス NAシリーズは、1980年代頃に生産されていたアトラスピアノの主力製品です。NA100からNA806などまで多数のモデルがあります。
このアトラス NA605はシリーズの中でも最も背が高く(133cm)、発売当初のメーカー価格は750,000円のハイグレードモデルです。
弦が長く構造がしっかりしているため、響きと音色に定評があります。また、赤めのマホガニーの外装と、上パネル周囲の装飾や猫足などおデザインは高級感があり、今でも人気のアップライトピアノです。
アンダーフェルト入りのドイツ製レンナーハンマーを使用しており、チューニングピンはニッケル防錆仕様です。また屋根を少し開けた状態にできるストッパーによって音量調整もできます。
なお、この機種名にSpecialの表記があり、通常モデルにはない装飾パーツがペダル基部に使用されています。(内部にも違いがあると思われますが、通常モデルの在庫がなく比較できていません。)
ヤマハ・カワイのブランドにこだわらず、音に定評があり、高級感もある国内産ピアノをお探しの方におすすめいたします。
人気のアトラスピアノ、マホガニーのハイグレードモデルです。
Atlasのロゴ
鍵盤
鍵盤蓋を閉じた状態です。
屋根とロングヒンジ
天板を少し開けて音を調節できるストッパーがついています。
脚部はネコ足です。
3本ペダル(試弾用にカバーを付けています)※ペダル基部の装飾は通常モデルには無いパーツです。
内部全体
標章
モデル名 ※かすれていますが「Special」の表記もあります。
製造番号
チューニングピン
ハンマーなど
ドイツのレンナー社製ハンマー(赤い部分がアンダーフェルトです)
バックチェック・ブライドルテープなど
鍵など
弦など
鍵盤蓋中央の凹みキズ
脚部のキズ
・型番:ATLAS NA605 Special
・番号:360517(1987年製)
・高さ:133cm
・間口:156cm
・奥行:63cm
・外装:マホガニー塗装艶出し仕上げ
<外面>
・鍵盤蓋と腕木にキズがあります。
<内面>
・特に問題はありません
・フレンジコードを点検、タッチ修正済み
<その他>
・出荷前に調律・調整・クリーニングいたします。
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