アトラスピアノ製造
1983年製
アトラスピアノはピアノ製造技術の第一人者である西村武氏と、マスターの称号を持つ国立音楽大学教授の郡司すみ氏によってピアノを研究・開発し、ヤマハ、カワイに次ぐ生産数があった国内ピアノメーカー、アトラスピアノ製造株式会社を代表するピアノです。
利潤よりも理想を追求されて生み出されたアトラスピアノの音色は、ピアノチューナーの第一人者である中谷孝男氏に「伝統的なウィーンの響きを持つ」と高く評価され、国立音楽大学の指定ピアノでもありました。
また、エイジング(経年変化)による音の熟成を考慮して作られているために、弾けば弾くほど重厚で華麗な音色となると言われています。響板の貼り方も狂いを無くすため手数の掛かる方式で接着し、多湿で季節差が大きい日本の気候でも音質が変化しにくいように工夫されています。
残念ながらアトラスピアノ製造株式会社は1990年代に倒産してしまいましたが、妥協せず国内で1台1台手作りで製作されていた良質なピアノに今でも根強いファンがおり、中古ピアノ市場でも人気があるピアノメーカーです。
アトラス NAシリーズは、1980年代頃に生産されていたアトラスピアノの主力製品です。NA100からNA806などまで多数のモデルがあります。
このアトラス NA706はシリーズの中でも背が高い(133cm)ハイグレードモデルで、弦が長く構造がしっかりしているため、響きと音色に定評があります。装飾がほどこされた円柱脚は他にあまりなく、希少なデザインのモデルです。
屋根を少し開けた状態にできるストッパーによって音量調整もできます。
ヤマハ・カワイのブランドにこだわらず、音に定評があり、こだわりのある国内産ピアノをお探しの方におすすめいたします。
今でも評価が高いアトラスピアノのハイグレードモデルです。
ATLASのロゴ
大きな譜面台
鍵盤部アップ
鍵盤蓋を閉じた状態です。
屋根とロングヒンジ
屋根は少し開けて音量を調整できます。
脚部はめずらしい装飾された円柱タイプです。
3本ペダル
内部全体
ATLASの商標
モデル名とチューニングピン。
製造番号
ハンマーなど
ハンマーアップ(赤い部分がアンダーフェルトです。)
バックチェック・ブライドルテープなど
チューニングピン
弦など
脚部の角にキズがあります。
・型番:ATLAS NA706
・番号:370174(1983年製)
・高さ:133cm
・間口:154cm
・奥行:64cm
・外装:黒/鏡面艶出し
<外面>
・脚部に小さなキズがあります。
<内面>
・特に問題はなく、とても良い状態です。
・フレンジコードを点検(タッチ修正済み)
<その他>
・出荷前に調律・調整・クリーニングいたします